準硬式野球とは?なぜ生まれた?軟式野球との違いやグローブ規定/プレーできる大学を一覧で紹介
2022/11/10
野球プレイヤーの皆様、こんにちは。オーダーメイドユニフォーム専門店「ファンゴ」です。
突然ですが、準硬式野球という言葉を聞いたことはありますか?
実は、今密かに注目されているのが準硬式野球。硬式や軟式野球とは何が違うのか、なぜ準硬式野球が生まれたのか、誰がプレーしているのか、などきっと次々に疑問が湧いてくることでしょう。
今回、帝京大学準硬式野球部協力の元、準硬式野球とは何なのかを調査してきましたので、この機会に準硬式野球について理解を深めましょう!
準硬式野球とは何?なぜ生まれた?背景や歴史を紹介
準硬式野球とは、準硬式ボールを用いて行う野球のことです。このボールが誕生した背景を知るには、野球の歴史をひもといていく必要があります。
そもそも野球は明治時代にアメリカから伝わってきたもので、当初は硬式ボールしかありませんでした。そのため、子どもたちが楽しむには安全面が少々不安、ということになり、1916年に京都市の小学校教員が中心となってやわらかいボール(軟式ボール)の開発が進められました。
この時点で野球ボールは、硬式と軟式の2種類。
その後30年ほど経ち、1948年に硬式に近い使用感と手軽さの両方を兼ね備えたボールを作ろうと新たに開発が進められ、翌1949年についに準硬式ボールが誕生しました。これが準硬式野球の始まりです。
なお、当時はまだ準硬式ボールとは呼ばれてはいなかったようです。いつから準硬式野球、準硬式ボールと言われ始めたのかも不明です。
軟式野球や硬式野球との違いは?
準硬式と軟式・硬式野球との主な違いは、使用するボールです。詳しくはこのあと解説しますが、ボールの構造に違いがあります。
そのほかルールについては、一部軟式の内容が用いられるようですが、ほとんどは硬式と同じルールとなっており、準硬式野球独自のものはありません。
そのため、軟式、硬式といずれかの野球に親しんできた方なら、そのまま準硬式野球を楽しめます!
準硬式野球の道具は何が違うの?
準硬式野球は、少年野球や草野球で親しまれている軟式野球と、中高大・プロで広く行われている硬式野球の中間に位置するもので、 道具としては、使用するボールに大きな違いがあります。
準硬式ボールがどのようなものなのか、また他に道具の違いがあるのかについてここでは見てみましょう。
準硬式野球ボールとは?
準硬式ボールは、中身は硬式と同じで、外側が軟式のようにゴム製のカバーで包まれているのが特徴です。
一般に硬式ボールは、コルクなどの芯が中心にあり、それを糸で巻いて作っています。外側には革が縫い付けられています。対して軟式は、ゴム製で安全性が高いのが魅力です。
硬式ボールは、水に濡れるとボールの重さが変わり、試合球としての機能がなくなってしまうのがデメリットです。しかし、準硬式ボールは外側がゴム製のためこのデメリットを払拭でき、ボールの寿命を伸ばせる特徴があります。
なお、ボールの中身は硬式と同様のため、硬式用の球場を使用する決まりになっています。
準硬式ボールは速球や指のかかり方が違う?
ピッチャーが準硬式ボールを投げると、ストレートで最大3〜5km/hくらい出にくくなると言われています。感覚的な部分もあるようですが、革で包まれた硬式ボールよりも少しだけ球速が出にくい特徴があるようです。
また、変化球のかかり方についても指のかかり方が「準硬式>硬式」となります。というのも、ゴム製の準硬式野球ボールの方がより表面の素材の摩擦係数が大きくなるからなんですね。
つまり、変化球を投げようとすると抜けにくく、より指にかかりやすくなって、変化量が大きくなります。
そのため、たとえば打者の手元で小さくボールを動かすカットボールなど小さな変化をさせたいボールだと投げにくくなりますし、大きく横にスライドさせたいスライダーなどは指にかかりやすい分だけ大きな変化が期待できる可能性があります。
バッティングの飛距離やゴロの球速は変わる?
バッティングでの飛距離も気になるところですね。
帝京大学準硬式野球部監督によると、ホームラン級のアタリで10メートルほど飛距離が伸びなくなるようです。そのため、スラッガーにとってフェンスを超えるようなアタリだったとしても、失速してしまうこともあるんだとか……。
球速や飛距離、いずれも硬式よりもちょっと出にくくなっているんですね。準硬式野球連盟でも、摩擦抵抗の高さから内野ゴロ・外野フライが若干失速しやすいことが明記されています。
参考:全日本大学準硬式野球連盟「準硬式野球とは」
バットは違う?
準硬式野球で使用するバットは原則硬式用のものですが、木製バット・金属バットの双方の使用が認められています。
実際のところは、金属製のバットを使用する選手がほとんどだそうです。
準硬式野球のグローブ規定はある?
グローブも準硬式専用の規定はなく、硬式用を使用します。
また、ミットやヘルメット、スパイクなどそのほかの道具もすべて硬式用を使用する決まりです。
そのため、準硬式用に新たに道具を準備する必要はなく、硬式野球の経験がある方ならそのまま道具を使い回せます。
準硬式野球のユニフォーム規定は?スポンサーロゴはOK?
準硬式野球のユニフォーム規定に関しては、基本的には「公認野球規則」に則ったものとなります。
ただし大学の準硬式野球では、高野連や大学硬式野球では認められていないスポンサー制度などが認められています。そのため、独立リーグやサッカーJリーグのように企業ロゴやスポンサーロゴが入っていても大丈夫なんだそうです。
取材を行った帝京大学準硬式野球部には、1stユニフォームと2ndユニフォームがあります。
監督によると、「野球のプレーに大きく関わるルールや規制は必要だが、それと関係ない部分での規制、たとえばユニフォームに関しては規制されることに違和感を感じる」とのこと。
ユニフォームを作っている当社としては、大学野球はなんとなく地味なユニフォームが多い印象のため、ファッション性の向上はぜひ今後進めていってもらいたいところです。
準硬式野球がプレーできるのはどこ?
ここまで準硬式野球の道具についてお伝えしてきましたが、実際プレーするとなったらどこでできるのでしょうか。
実は、準硬式野球がプレーできる場所はそう多くありません。
結論から言えば、大学野球部を中心に準硬式野球はプレーされています。
というのも、準硬式ボールが開発された1949年の翌年(1950年)に、全日本大学軟式野球連盟が公式球として準硬式ボールを認定しています。そしてその経緯から、歴史が受け継がれ現在でも大学がメインのプレー場所となっているんですね。
大学以外では、関東の一部社会人リーグや、関西地区の中学生チームがある程度ですが、その人口はわずかです。実際はほとんどが大学生で、そのプレー人口は1万人にものぼります。大学の部活規模で見ると、硬式野球、サッカー、バレーボールに次いで第4位の競技人口を誇るんだとか。
それだけ多くの人が取り組んでいるため、レベルも高いのが特徴です。強豪校ともなれば、高校時代に甲子園で活躍した選手も多く在籍していますし、過去には準硬式野球部からプロ野球入りを果たした選手もいました。
準硬式野球ができる大学一覧
準硬式野球ができる大学は、全国に270校ほどあります。
ここではすべてを載せませんが、エリア別に見ると以下の数の加盟校があります。

詳しい加盟校の一覧は、全日本大学準硬式野球連盟のサイトにてご確認ください。
準硬式野球の全国大会はいつ?
全国の加盟大学を対象に、年間3つの全国大会が開催されています。
- 全日本大学準硬式野球選手権大会(8月中旬頃開催)
- 清瀬杯(8月末〜9月初旬頃開催)
- 全日本大学9ブロック対抗準硬式野球大会(11月中旬頃開催)
規模としては、全日本大学準硬式野球選手権大会がもっとも大きく、注目度も高いです。
その後行われるのが、この大会に出場できなかったチームかつ成績の良いチームで戦う清瀬杯で、こちらは第二の全国大会とも呼ばれています。
そして、9ブロック対抗準硬式野球大会は、北海道・東北・関東・北信越・東海・関西・中国・四国・九州からの選抜9チームで争う秋の大会です。
一般的に4年生は夏の大会で引退し、秋の大会は残されたメンバーで参加することが多いとされます。
過去の全国大会速報
2024年度の各大会の優勝校を紹介します。
- 第76回全日本大学準硬式野球選手権大会:中央大学(8年ぶり13回目)
- 清瀬杯第56回全日本大学選抜準硬式野球大会:立命館大学(初優勝)
- 第42回全日本大学9ブロック対抗準硬式野球大会:全九州選抜チーム(8年ぶり7回目)
各大会の詳しい結果は、全日本大学準硬式野球連盟のサイトにてご確認ください。
改めて…準硬式野球の面白さやメリットって何?
軟式でもない硬式でもない準硬式野球。この準硬式野球の面白さやメリットはどこにあるのでしょうか。
まず、硬式野球部の場合、入部条件が野球経験者だったり、入団テストであるセレクションを受ける必要があったりと制限があることが多いとされます。
これでは初心者にとってもハードルが高いですよね。
一方、軟式野球部やサークル、同好会などであっても、経験者が多く入部してきますし、全国大会ともなればかなりハイレベルな戦いが繰り広げられます。しかし、高校である程度真剣に野球をやってきた人たちは、軟式野球部をあまり選ばない傾向にあるのが実情です。また軟式野球部や同好会、サークルに関しては初心者OKのところもあるため、チームの実力にはかなり幅が出てくるのが特徴です。
これらを総括すると「軟式野球部よりも野球にもっと打ち込みたい」「硬式野球部ではついていけないかも」という2つのニーズを満たすちょうどいいポジションの部活が必要となってきてます。
そして、それが叶うのが準硬式野球部なのです。(もちろん軟式も硬式も各チームによって考え方や実力に大きな差が出るため、あくまで一般論です。ご了承ください)。
準硬式野球部は、真剣に野球に打ち込めるだけでなく、硬式野球部と比較すると大学生活も充実させられるのが大きなメリットであり、違いの1つです。授業やゼミ、資格取得、プライベート面にいたるまで、野球以外の部分でかなり自由が利きます。また、基本的には準硬式野球そのものが学生主体で行われるため、「自主性」も重んじられます。
野球生活が終わってしまって、いざ社会人になったときに「野球をとったら何も残らなかった」という悲しい現実を突きつけられてしまう人も少なくありません。もしかしたらそのような経験をお持ちの方もいるかもしれません。しかし準硬式野球部は、ひたすら野球の練習を繰り返すのではなく、将来の目標や夢を見据えて充実した学生生活も送れる部活動のため、きっと満足度・達成感の高い学生生活になります。
また、プレー面でも硬式野球より安全性の高いボールを使用しますので、野球技術に自信のない学生でも安心して取り組めます。それでいて使用感は硬式ボールに近いため、経験者も抵抗なくできるのがよい部分ですね。
このように、準硬式野球は野球を頑張りたいけど学生生活も充実させたいという学生にはうってつけの魅力的なスポーツなんです。
(まとめ)準硬式野球は大学でできる注目の野球!基礎を知ってプレーも観戦も楽しもう
準硬式野球は、大学生を中心に親しまれている野球の一種で、競技人口も多く大会も盛り上がっているスポーツです。
専用のボールを使うこと以外は、硬式とほぼ変わらないため、野球経験者もスムーズに始められます。
強豪校でも、初心者歓迎のエンジョイ勢な大学でも、どちらに所属しても楽しめると思いますので、気になる学生さんは各大学の準硬式野球部をチェックしてみてくださいね。
また、この機会に準硬式野球に興味を持った大人の方はぜひ大会を観戦してみてください。
全日本大学準硬式野球連盟のサイトにて、試合動画がアップされています。
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