野球ボールの縫い目と赤い糸の秘密 – 知られざる108個の縫い目の理由
2024/09/15
こんにちは!ファンゴ編集部です。
野球ボールと言えば白地に赤い糸で縫い目があるのが特徴ですが、この縫い目、実は108個と決められているってご存じですか?
また縫い糸が赤で統一されているのにも理由があります。
今回は、野球ボールの縫い目や縫い糸の秘密に迫ってみましょう。
野球ボールの縫い目が108個なのはなぜ?
野球ボールの縫い目が108個である理由には、いくつかの説があります。決して、煩悩の数と合わせたわけではありません。
その数がボールの強度や寿命を最適に保てるとされているから。
野球ボールの縫い目が108個である理由には、いくつかの説がありますが、決して煩悩の数に合わせたわけではありません。
実際には、ボールの強度や寿命を最適に保つために108個が選ばれたのです。
ボールを縫う際、縫い目を固定するために穴を開けますが、穴が多すぎるとバットで打ったときに強度が下がり、表面がボロボロになってしまいます。
一方で、縫い目が少なすぎると縫い糸が切れやすくなり、ボールの寿命が短くなります。そのため、縫い穴が多すぎず少なすぎず、最適な強度バランスを保つ数として108個が採用されました。
また、108個の縫い目が均等に配置されることで、ボールの形状と構造が最適化され、投球時に安定した回転を生み出します。
この縫い目の数は、投手の指先にちょうどよくフィットし、コントロールを高める効果もあります。
もともとは116個だった?
現在は108個の縫い目がある野球ボールですが、もともとは116個でした。
明治時代、アメリカの野球ボールが日本で使われており、そのときの縫い目の数が116個だったそうです。
その後、大正に入って、スポーツメーカーのミズノが112個でボールを大量生産し、112個の縫い目があるボールが普及しました。
しかし、昭和23年にアメリカでボールの縫い目を108個にすると正式に決められ、日本の各メーカーもそれにならい108個のボールへ切り替えました。
なぜ116個から108個に変わったのかというと、表面の皮が剥がれやすかったからだとされています。皮が剥がれにくく、縫い糸も切れにくい数を追求した結果、108個がベストだとなったのですね。
余談ですが、アメリカでは縫い目の数え方が日本と異なるため、縫い目の数は倍の216個だとされています。
日本の数え方では両方の縫い目を1として108、アメリカでは片方ずつをカウントして216です。違う数だと言われても、実際は108個と同じ縫い目のボールが使われています。
野球ボールの縫い目に赤い糸が使われているのはなぜ?
もう一つ気になるのは、なぜ野球ボールの縫い目に赤い糸が使われているかという点です。
これは、変化球かどうかを判断しやすくするため、そして泥が付いても見やすいからです。
変化球の技術が生まれる前は、縫い糸もボールの皮と同じ色が使われていました。しかし、変化球を投げる投手が登場すると、打者がボールの回転を見分けられるよう、より視認しやすい赤い糸が採用されました。
また、試合中にボールが泥で汚れても、赤い糸なら回転や動きを比較的鮮明に確認できるため、それ以来、赤い糸が標準となりました。
ちなみに、軟式野球では縫い目に色はつけず、ゴム製やラバー製のボールが使われ、縫い目とボールが一体になっています。
また、プロ野球のオールスター戦などでは、縫い糸が赤ではなく特別色に変わることも。たとえば過去には、対戦球団の球団カラー2色を織り交ぜて作ったボールや、試合開催地の特産品をイメージした縫い糸を使ったボールなどがありました。
赤い糸にはどのような効果があるのか?
赤い糸を使うことで、投手だけでなくバッターや観客もボールの回転を確認しやすくなり、ゲームのダイナミズムが増します。赤い縫い目は、ボールの軌道や変化球の動きに対して視覚的なヒントを与え、試合をよりスリリングにしています。
縫い目や縫い方は球速にも影響する?
実は、野球ボールの縫い目には「縫い方」にも秘密があります。
ボールの表面にしっかりとフィットするよう、非常に緻密な技術が使われています。高品質なボールは、今でも職人が手作業で縫い付けており、この職人技がボールの品質を支えています。
そのため、ボールごとに縫い目の高さが微妙に異なることがあり、これも手作業ならではの特徴です。
多くのプロ投手はこの縫い目の高さを気にかけ、少しでも気になる部分があった場合は試合中であっても何度もボールを交換します。
というのも、縫い目にどのように指を引っ掛けるかで変化球の投げやすさやストレートの球速が変わるからなんですね。縫い目が高くなれば、指を引っ掛けやすくなり、変化球を投げやすくなります。
一方で縫い目が低いと空気抵抗が低下し、打者が打ちやすくなるため、投手にとってはあまり使いたくないボールとなるでしょう。
このように野球ボールの縫い目や縫い方ひとつで、プレーが変わってしまう場合もあります。
まとめ:野球ボールの縫い目の秘密を知り、もっと野球を楽しもう!
野球ボールの縫い目が108個であることや、縫い糸が赤色である理由には、しっかりとした意味があることがわかりましたね。
硬式野球のボールは、こうしたルールを守りながら、今でも職人が一つひとつ手縫いで作っています。
練習や試合では多くのボールが使われますが、この豆知識を知ることで、ボールをもっと丁寧に扱おうと感じるかもしれません。
108個の縫い目や赤い糸の理由を知ることで、試合中のボールの動きや投手の意図をより深く理解でき、野球の楽しさがさらに増すことでしょう。
単なるスポーツ道具ではなく、職人の歴史と情熱が詰まったボールが、野球を支えているのです。
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